ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

気持ちいい(ss)



依頼主との打合せに出かける前、失礼がないよう髪に櫛をあてたが、どうもうまく整わない。それを見ていた相棒が、手を使え、と助言する。へたくそだなぁテメー、やらせてみろ、ほらこうして押さえれば形になるだろ。背後から伸びる奴の手が俺の頭を撫でつけ、指が髪の間を通って地肌に線を引く。髪が整うまで何度も。俺はじっと動かず立ったまま、今夜は早く戻ろうと考えた。早く帰って相棒の髪を俺の指で梳いてやりたかった。