ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

やりたいんならそう言えよ(ss)



脚を揉め、と角都が唸る。やだね、と同じぐらい不愛想な声で飛段が返す。クソガキが、たまには年寄りを労わったらどうだ。ジジイならジジイらしくヨボヨボしてろっつーの、いちんちじゅう連れまわしやがってこっちがヨレヨレだぜ。ふん、では女でも呼んで揉ませるとするか。あーそうしろよ、ついでにオレも揉んでもらうからよ。貴様好みの女など誰が呼ぶか。オレの好みなんか知らねーくせに。それきり会話は止まってしまう。宿の薄い壁の向こうで誰かが誰かを抱いている気配がするが、相棒は特に何も言わない。本当にそのまま寝てしまうつもりかもしれない。しかたなく角都はごろりと転がって四つん這いになり、となりの布団へ移動する。