ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

意地(ss)



角都がバイトを引き受けてきた。どこぞの里の抜け忍グループを始末すると大金が入るのだという。カネのための殺しなんて鎌が汚れらァと言ったら手助けなど不要と返された。やれることをやるだけだ。そう言って普通に出かけていく。小言を言う奴がいなくなったのでオレも町へ出かけてせいせいと遊ぶ。何軒目かの飲み屋に手垢だらけのビンゴブックがあったのでめくってみると、角都が名前をあげていた奴らがずらりと載っている。いい気持ちはしなかったが、どうせ角都が勝つのだ…。そうして一週間ほど過ぎたころ、角都が戻ってきた。金の詰まったケースを片手にぶら下げている。遅かったなと言ってやるとフンと応える。コートは着ていないし背中に面もついていないが、いつも通りの角都である。やれることをやったのだろう、そして帰ってきたのだろう。カッコいいなあ、とオレは今さらほれぼれする。もちろん内心で。