ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

目は心の窓(ss)



飲み屋のテーブルで角都が読んでいる雑誌の裏表紙が、はだかの女の写真だった。たいしたこともないが、はだかははだかだ。何の気なしに飛段はそれを眺めていた。そのうち角都が雑誌を持ち直すと、親指が女の股を押さえ、そのままそこに留まった。飛段はその指と写真を眺め続けた。あの指であんなふうに無造作にあそこを押さえられたらどんなに気持ちいいだろう、と妄想しながら。記事を読み終えて雑誌を閉じた角都は、目の前の相棒の顔を見てかすかに目を見張る。そうしてしばらく互いに見交わしたのち、まず飛段が、続いて角都が便所に立ち、しばらく戻らない。飲み屋の主人は酒の持ち込みを疑う。ろくに飲んでもいない客が、真っ赤な顔で連れに抱きかかえられるようにして便所から戻ってきたから。