ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

結局は幸せ(ss)



仕留めたばかりの賞金首の名前を角都は思い出せない。賞金の額は覚えているのに。しかたなく手元にあるビンゴブックをめくって探す。待ちくたびれた飛段も手伝う。ようやく探し当てたページを折り曲げて印をつけている角都に、おめぇボケたんじゃね、と飛段が言う。フン、ど忘れだ、こいつは賞金首になってまだ日が浅いからな。あー昔のことは覚えてるのに新しいことはダメってやつか。ずけずけとした物言いにむっと黙る相棒の顔を飛段は眺め、じゃあ今日のこともずっと後になってから思い出したりするのかなァ、と言う。そんときもやっぱりおめぇは新しいこと覚えてなくてオレが突っ込んだりすんだろーな、ゲハハ。思いがけず将来の約束をされた角都は、バカが、とつぶやきそっぽを向く。