ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

明日からまた野宿するぞ♪(ss)



古書屋で成人向けの雑誌を立ち読みしていた飛段が、あー、と間抜けな声を出す。角都ゥ、そういやおめーオレからのハガキ受け取ったか。何のことか理解できない角都が辛抱強く問いただし、ようやく得た概要は次のとおりであった。八月の半ばに一人で仕事に出ていた飛段は、その土地で絵葉書を買い、角都が逗留していた宿に宛てて発送したという。すげー滝の写真でよォ、おめーに見せてやりたかったんだ、たまたまおめーの誕生日だったから、けど考えてみりゃおめーにとっちゃ滝なんか珍しくもねえしな、ゲハハ。このとき角都は特に反応を見せることなく買い物を続けたが、宿へ戻ると帳場へ行き、八月に滞在していた宿への連絡を頼み、これから自分が向かう先の住所まで残した。忍者にはあるまじきふるまいだが、角都は行く先々でこれを続けた。野宿が減ったことを飛段は喜んでいたのだが、ついにある日角都のもとへ、角がよれて色あせた絵葉書が届いたのである!