ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

理想の姿(ss)



角都を抱きたいあまり、飛段は分身を作り角都の姿に変化させる。このようなことは妄想でとどめておくべきなのはわかっていたが我慢できないのだからしかたがない。ところが分身の化け方がイマイチである。背丈や腰回り、肌の色などを微調整してみてもしっくりこない。めんどくせーちっと違うぐらい我慢しろよ別人なんだからしゃーねーだろ似てりゃいーじゃん。うっせー黙れ角都はそんなペラペラしゃべらねーぞ。だってオレ角都じゃねーし。やる気のない相手にうんざりした飛段はどんどん別の分身を作っては理想の角都をこしらえようとする。留守番していた宿の部屋は角都であふれかえり、中には互いにその気になっていちゃつくものまで出てくる始末で収拾がつかない。長時間ああでもないこうでもないと力を尽くした末、ついに諦めた飛段は分身をすべて消し、とたんにのしかかってきた疲労でひっくり返る。やるつもりだったので丸裸、息を切らし、肌をしっとり紅潮させ、竿の先を濡らしている。折しも帰ってきた角都は大喜びである。