ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

ダンジョン(ss)



一日かけて城を落とした角都は、くたびれていたが性の行為はしたかった。焦げ臭い空気がこもる暗い石造りの広間で、角都は相棒をつかまえてどうにかしようとした。他者に慣れた今、一人で欲の始末をするのはつまらなかったから。しかし相棒は鎌や装束を剥ぎ取られながらも、あと一歩のところで角都の指をすり抜ける。暗がりでもほの白く見える体は笑い声を上げながら部屋から部屋へと逃げ回る。累々たる死体と崩れた壁を踏みつけながら角都は獲物を追い、さらにきな臭く暗い地下への石段を駆け降りていく。荒々しい足音、ときおり放たれる火遁の光と爆音、騒々しいわめき声、唸り声、喉声交じりの断末魔。ラスボスがラスボスを倒した。らしかった。