ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

不器用(ss)

さくま様からのリク「約束してはいない」による小話です。伝わりませんが、態度に出てしまっている感じで。



なんとも言えん、と角都がぶっきらぼうに言う。未来のことなど誰にもわからんからな。でもよぉオレたち死なないだろ、だったらずっとコンビ組んでいくこともできるんじゃね?死なないのはお前だけで俺は違う、それに暁から外れれば組む理由もない、暁がこれからどうなるかもわからんしな。暁のことはおいとけよ、オレたち超相性いいんだから勝手に組めばいいじゃねーか、おめーが死なないようにオレが、オレが、がんばるからさ、なあずっと一緒にいるって言えよ角都。なぜこんなことで自分たちが言い合っているのか角都には理解できない。初めはへらへらしていたくせに次第に怒り出し、今はただ必死になっている飛段をどう扱っていいかもよくわからない。こんなどうでもいいことで、と角都は無理やり腹を立て、体を前傾姿勢にして足を速める。口で言うぐらいタダじゃねーか、と悲しげな声が後を追ってくるが、それを振りきって角都は歩く。「どうでもいいこと」に対して嘘の一つもつくことができない、S級犯罪者の角都はそんな男なのだった。