ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

今年も(ss)



飛段は、行く先々で喧嘩を売られたり可愛がられたり色目を使われたりとしょっちゅう構われる。老若男女を問わず。そのたびに飛段は喧嘩を買ったり飴玉をもらったり鼻の下を伸ばしたりと忙しい。誰も角都にはちょっかいを出してこない。飛段のように頭の悪さが見え透いている者をからかいたくなるのは当然のことだろうと角都は考えている。自分に絡む相手は相棒だけで十分だし。そうして案外鈍い角都は相棒が身をもって露払いをした道を堂々と歩いていくのである。