ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

本当に今さら(ss)



昼間にやりあった軍隊がレーザー砲を持っていた。たいした武器ではないが追尾機能が厄介で直撃を食らえば俺たちの体など蒸発してしまう。俺は飛段をおとりに使い、その隙に俺自身が武器を破壊する作戦を立てた。すばやく立ち回れ、手足を落とされても後で別なのをつけてやるが頭はそうはいかん、気を抜くな、死ぬぞ。それをオレに言うか角都よ、と返した飛段は、数歩踏み出してから顔だけ振り向き、もしマジで死んじゃったらごめんな、と言って飛び出して行った。少し苦戦したものの兵器を破壊してしまえばこちらのもので、相手を滅ぼした俺たちは今、いつもよりも良い宿に泊まり、相棒は畳の上に寝そべってテレビを見ている。健康的な、美しいといっていい体と後頭部を見ながら、聞き慣れなかった「ごめんな」という言葉を俺は今さらつらつらと考え、少し落ち着きを失った。自分がいかに非道な人間なのか思い知らされたような気がしたのだ。