ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

いろいろ楽しいおまけ(ss)



飛段の大鎌が大名の首を刎ねたとき、血しぶきとともに、ぱっ、と光るものがあたりに飛び散って床の上で乾いた音をたてた。装飾品だな、と角都は思ったが、請け負った殺しを終えた今、厄介な追手に関わる気はさらさらなかったので、そのまま相棒と天守閣の屋根から飛んで場を去ったのである。その夜、安宿の裸電球の下で帳簿をつけていた角都は、コートの前をだらしなくはだけてごろ寝をする相棒の腰布にちかりと光るものを見て筆をとめた。そばに寄ってみると、返り血の粘りで貼りついているそれは確かに高価な宝石なのだった。注意深く石を剥がした角都は相棒の腰布を解き、さらに二粒の石を見つけてから、相棒のズボンに手をかける。温かい手に体を探られた飛段は寝惚けた鼻声を漏らして股をゆるく開く。ふうむ、と角都は唸る。服を探すだけでは不十分かもしれない、あんな小さな石なのだから体のどこに入り込んでいるかわかったものではないだろう。徹底的に探さなければなるまい。奥の奥まで。