ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

覆面の下でニヤニヤ笑う(ss)



北風が土ぼこりを巻き上げる路上で、地図を読む俺の腕に寒い寒いと飛段が絡まりついてくる。真冬じゃあるまいし大げさな、などと理屈を言ってもしょうがない、どうせ道中退屈しての暇つぶしなのだから。あまりにうるさいので、俺は相棒のズボンに片手を突っ込むと少し湿ってホカホカしている股ぐらをぎゅっとつかみ、充分温かいぞ、と言ってやる。一瞬黙った飛段は、俺が手を引き抜いたとたんぎゃあぎゃあ喚きはじめる。な、何しやがんだ助平ジジイ変なとこさわんじゃねーぶっ殺すぞテメー。俺は満足して再び地図に目を下ろす。相棒の顔は真っ赤で、少なくとももう寒くはなさそうだ。