ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

メモ(ss)



角都は特に残虐な性質ではない。目的を果たすための効率良い方法が殺しならそれをためらわないだけのことである。実際、手っ取り早く問題解決を図り、かつ気持ちをスッキリさせるために殺しは非常に有用な手段なのだが、殺せない飛段と組んだために角都はそれに代わる手段を学習しなければならなくなった。根が勤勉な角都はよく学ぶ。例えば長い儀式に立腹して飛段をバラバラにすると縫い合わせるのによけい時間がかかる。角都は自分の帳面に、短気は損気、と書く。例えば一人で勝負したがる飛段の戦闘に手を出すとへそを曲げた飛段が戦闘相手の前でも平気で仲間割れを起こして相手を取り逃がしてしまう。角都は帳面に、急がば回れ、と書く。好物はスペアリブ、と書いたあたりから覚書の方向性に疑問を持ち始めた角都だが、現在の状況から途中下車するつもりがない以上記録は取り続けなければならず、角都はあやふやな気持ちのまま今日も筆をとる。他の誰でもない、己のために。