ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

くわばらくわばら(ss)

どりぽん様からのリク「犬、猫の挨拶」による小話です。口の周りや尻をフンフン嗅ぐ挨拶、飛段がするとあまり違和感がないですね。可愛い奴らめ…。



角都は情報屋と落ち合った。用が済めばさっさと帰るつもりだったが、芋づる式に現れた別の情報を値切るうちに時間が過ぎた。遅く帰り着いたアジトでは相棒の飛段が角都を待ち受ける。今日は早く帰るっつったろ、なんかやましいことでもしてきたんじゃねーのか、と口に出して尋ねはしないが眉をひそめたうろんな顔つきが疑問を物語る。黙ったままコートを脱ぎ安楽椅子に掛ける角都。そのまわりをうろうろしていた飛段は、ふいに正面で立ち止まる。両手で相手の頬を挟んでぐいと顔を寄せ、覆面を剥いでさんざん凝視し匂いを嗅いだあと、飛段は、今度は床に膝をついて角都の腿の間に入り込み、相手のズボンの前から中身を取り出すと、これもさんざん凝視して匂いを嗅ぐ。最後にぺろりと先っぽを舐めて立ち上がった飛段はついでのように角都の鼻先にもキスを落として、台所へ消える。ペリペリ、ジョボジョボ、と聞こえる音からしカップめんを作っているらしい。それも二つ。角都は音を立てないようゆっくりと息を吐く。色っぽい三十女の情報屋は角都を食事にも誘ったのだ。つまみ食いをしないで本当に良かった。