ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

不調(ss)

※グロテスクな話です。


目当ての巻物を飲み込んだ男の首を飛段の鎌がはねる。バツ、と音がして頭が飛び、噴水のように血が噴き出す。飛段は殺したての死体を鎌の先で切り裂き、経典だと言っていた小さな巻物を探す。俺は離れて見ている。金にならない殺しだし、食い物にあたったのか珍しく気分が悪い。冬の冷気の中、でたらめに解体された体から湯気が立っている。探し物に集中する飛段が臓物を探った手で髪を掻き上げる。血でまだらになった顔の中で動く目玉がいやに目立つ。何を考えているのかわからない、むきだしの、ある意味飛段らしい顔。俺は覆面を下げて後ろを向き、少しだけ吐く。