ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

みやげのスペアリブも巻き添えに(ss)



昔からの友人と飲むと言って出かけた角都の帰りが遅い。というかもう朝だ。飛段はいろんなことに腹を立てている。昨日のいさかいにも、おいてきぼりを食らったことにも、朝まで相棒を待ち続けてしまった自分にも。そのうち、少し前に手に入れた起爆札のことを思い出す。書きこまれた単語を口にすることにより爆発する札。飛段はそれを隠しから取り出し、裏に鉛筆で小さく「バカ」と書く。そしてそれを菓子の食べかすといっしょにコンビニの袋へ入れ、そのあたりに投げておく。さて、いい加減遊び疲れて戻ってきた角都は、野営地にかぶさる大杉の枝でふて寝をしている相棒を呼んだが返事はない。飛段、おい飛段、起きろ、と度重なる呼び声を聞きながら飛段は期待で鼻の穴をふくらませる。そろそろくるぞと薄目を開いて下をうかがうと、角都が火遁で火をおこそうとしているところだった。焚き付けに使われているのは件のコンビニ袋。起爆札も元は紙きれ、燃やされればただの灰になってしまう。枝から落ちるように飛び降りた飛段は燃える袋をつかみあげ、たたいて火を消そうとしながら、つい習慣で相棒を罵ってしまったのだ。