ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

2:08(ss)

「ちぐはぐ2」の続きを読みたいと言ってくださった方に。



体もまわりも何もかもベタベタしていてとても不快だ。臭いもひどい。オレはうつぶせのまま手を伸ばしてシーツの乾いた部分をたぐり寄せ、それで顔を拭い、ついでに口の中も拭いた。布を突っ込んだらオエッとなり、さっき飲まされたアレがもっとひどい味になってこみ上げてきたんで遠慮なく吐いた。どうせ奴のベッドだ。ゲエゲエ言っていたら風呂のドアが開いて奴が出てきた。ビシャビシャ水を垂らしながら歩いてくる脚が見える。殴られるかなと思いながらもオレはその脚に見とれた。いい脚だ。見とれているうちに脚は近づき、起きたか、と訊いてきた。見りゃわかるだろう、それにオレたちは今喧嘩中だ。黙っていたら、脚はフーと溜息をついてオレをシーツごと風呂場まで運んで行き、シャワーの下に立たせてとても丁寧に丸洗いした(耳の中まで洗われた…奴はオレの意識がない間いったい何をしていたんだろう?)。壁ばかり見ているのに飽きて目を上げると、奴はひどくまじめくさった顔でオレを見下ろしていた。居心地が悪くて、やられている最中にへし折られた左腕をなんとなくさすったら、奴の目がうろうろした。背中もいてぇ、と言ってみたら、奴はゆっくりとオレに腕をまわして背を何度もなでた。シーツのないベッドに戻ってからも。それでオレは朝まで眠った。奴がどうだったかはわからない。