ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

天の邪鬼(ss)



朝方、相棒の部屋の便所でオレは我ながらほれぼれするような一本グソをした。太く長くまっすぐなやつで、その見事さに思わずオレはペンダントを握りしめた。これは共有の価値があるだろう。オレは、オレ同様全裸でベッドにうつぶせになって寝ている相棒のもとへ戻り、その肩をつついた。角都ゥちょっと起きろよ、いいもん見せてやるからよォ。相棒はさっきまでオレをつかまえていた手で敷布をさぐり、頭をもたげると、どこへ行ってた、と唸って、今度は両腕でオレをつかまえてベッドの中へ引っ張り込んだ。相棒の体は温かく、ちょうど逃げられないぐらいの腕の力加減も申し分なく、オレ今便所で、と言いかけてやめてしまったのはまあそんなわけなのだ。そのままぬくぬくしているうちに二度寝してしまい、目が覚めたら角都がオレの顔を覗きこんでいるところだった。忘れないうちに一本グソの話をと思い、角都ゥ、と呼びかけたら、野郎はいきなりオレの口に吸いつき、もぐもぐちゅーちゅーしながらこっちの体を撫でたりこすったり揉んだりし始めた。オレは奴を押しのけようとしたが、じきになぜ押しのけようとしていたかわからなくなり、そのまま三度寝へとなだれこんでしまった。不覚だ。やっと起きたときには日が高くのぼっている。便所に作品の確認に行ったオレは惨憺たる有様に落胆し、泣く泣く洗浄レバーを押し下げる。ムッとしたままベッドへ戻り、壁を向いてふてくされていると、相棒はさっきと打って変わって不機嫌なオレを持て余し、奴にしては珍しく、体がきついのか、腹がへったのか、などと話しかけてくる。オレはますますむっつりと壁を睨む。内心複雑だ。クソを惜しんでいるのか、角都のご機嫌伺いを楽しんでいるのか自分でもよくわからないのである。ずるいオレはことの決着を相棒につけてもらうことにする。幸い奴は気が短い、体が冷え切るまで待たされることはないだろう。