ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

すべてか無か(ss)



飛段が傷だらけで戻ってくるたびに角都は説教をする。飛段はあっさりと聞き流す。なめきった態度に角都はひどく歯がゆい思いをする。バカめ、俺がいないときにこんなことをやらかしたらどうなると思っている、片脚を落とされたら逃げることもできんだろう。うっせーな、どうせオレたちいつも一緒なんだからどうでもいいじゃねーか。乱暴な言葉を吐きながら甘ったれて寄ってくる頭に角都は拳骨を落とす。ふざけるな、一緒にいたところで俺がやられたらどうする、もっと後先考えて行動しろ。やられたら、なんてなんかエッチくせぇ感じだな、そう思わねぇ?呆れ果てた角都はそっぽを向いて話を打ち切る。飛段もぷいと横を向く。そのくせ角都の触手は飛段の切断された太腿を丁寧に縫いつけており、飛段の片手も角都の肩をゆっくりと撫で続ける。ああ、お前がいない世界でおれがいかに虐げられようと五体満足であろうとなかろうとどんな違いがあるというのだろう。