ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

納得が理解を追い越してくる(ss)



飛段のコートの前をつかみ開いて足払いをかけ、地面に押し倒す。暁のコートは厚手だが、その下の硬く尖った岩場がこたえたのか飛段の顔が一瞬歪む。男くさいしかめっ面と白い体の組み合わせに興奮を覚えた角都は手の甲で相棒の頬をひっぱたき、睨みつけてくる相棒のまなざしを楽しむ。コートの袖に腕をとられ角都の重みにつぶされた体が、にじ、にじ、と蠢くさまは淫猥だ。扇情的な顔と体を何度も繰り返し殴った角都は、その手を相手のズボンに突っ込んで堅く反り返ったものをつかみ出す。飛段は喉声で抗議するが、敏感な先端をこねつぶすよう揉まれるうちに液を出し、薄い瞼を震わせる。制御できずに開かれた唇を角都は吸い、舌で舌をねぶるが、相手の歯が噛み合わされるときには唇を離している。てーめえー、と間延びして怒る飛段だが、ずり下げられたズボンに絡め取られた両脚を持ち上げられて横倒しにされると、ろくな抵抗もできないまま、本来出口である場所からの侵入を許してしまう。上半身を仰向けに、下半身を真横に向けた窮屈な体勢でしつこく突かれ、殴られ、呼吸を止められるうちに朦朧としてきた飛段は、片耳に「好きだ」と呟かれてさらに混乱する。どうもここにはルールがない。あるのは苦痛と快感と体液と疲弊と腐るほどの愛だけだ。