ハキダメ

ダメ人間の妄想の掃き溜め

じゃれる(ss)



一戦交えたあと、たまには場所を代われよ、と可能な限り野太い声を出してみた飛段を角都は鼻であしらう。お前が俺の後ろを取るなど笑わせるな、萎えるから黙っていろ。てめーホントにむかつく野郎だな、と顔を赤くして吠える相棒を角都は手荒く裏返し、伸ばした片手で相手の頭を地面に押しつけ、もう片手で相手の両手首を手綱のようにつかんで乱暴に腰を揺する。いででで、くそ、調子こいてんじゃ、うがーいでー!ひとしきりわめかせた後、角都は再び相棒をひっくり返し、今度はだらりと下がる器官をつかむ。飛段が息をのみ、慌ててまたわめき始めるが、擦り剥けた鼻先を舐められて勢いが殺がれる。オレで遊ぶなコラー、と暴れる男を角都はいなし、ときどき腹を殴ったり首を噛んだりして少しずつ弱らせていく。立派な体格の飛段だが、更に大きな体躯で戦い慣れした角都から見れば仔犬のようなものだ。そして仔犬と遊ぶのはいつだって楽しい。